いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

3月26日(火) 京セラ美術館「キュビスム展」といい夜

 

朝は10時前に起床。パートナーは家を出たあとだった。コーヒーを飲んで和菓子の菓子折りに残っていたお饅頭を朝食として食べる。今日は午後からマウントスギのMちゃんと岡崎にある京セラ美術館で「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」を見る予定だったので、午後までゆっくり日記を書いていた。あっという間に時間が経ち、支度をして家を出る時間になった。

 

バスに乗って岡崎にある京都市京セラ美術館を目指す。雨模様というのもあってか、平日の昼間にしても乗客は多い。バスの車内で『夕子ちゃんの近道』を読んでいたのだが、ふと周りを見回してみると前の席に座っている4人が全員外国人だったのだが、全員本を読んでいた。最近のバスや電車の中ではみんなスマホを見ているので、、この光景はかなり珍しいのではないかと思う。観光客という感じでもなさそうだ。わたしも加わるように本を読む。

 

 

京セラ美術館でMちゃんと合流して、「キュビスム展」へ。前から楽しみにしていた展覧会だったのだが、期待以上におもしろかった。わずか20年足らずのムーブメントでこんなに後世に影響を与えているという美術史へのインパクトもその表現方法のユニークさももちろんすごいのだが、わたしは特にピカソとブラックのアイディアと制作の連鎖していく楽しさが絵に表れているようで、そこがよかった。実際ふたりは最高に楽しかったのだと思う。そしてそのふたりの熱意が、新しい絵画表現として周囲にも波及していったのだろう。

 

キュビスムの絵をずっと見ているとだんだんと幾何学的に描かれた静物画や人物画が「わかって」きて、一見して無茶苦茶な絵に見えてもとことん論理程に考えたことを落とし込んだ表現方法なのだという事実が、体で納得できたのもいい体験だった。踏み外したら抽象画になるところをなんとか踏みとどまって、キャンバスの上に表現していくという緊張感も伝わった。

 

絵を見ている最中はMちゃんと、ふたりともほとんど話をせずに黙々と回った。Mちゃんと絵を見に行くのは初めてだったが、一緒に行く時にこの間合いが共有できるのは嬉しい。絵を見ている最中は絵を見るのに忙しいし、いろいろな想像を働かせてしまうので話しながら見ることができない。ずっとふたりで喋りながら絵を見ている人たちもいたけど、あんな風に絵を見れるのは純粋にすごいと思う。

 

見終わってからは、飲みに行きましょう!ということで、聖護院にあるRUTUBO燻製工場へ。この間テキーラで誕生日をお祝いしたMさんが働いていた。今日は京都大学の卒業式ということで、レボリューションブックスのバイトのHくんもスーツで式の後やってきて友達と落ち合っていた。「おめでとうございます」とお祝いを言う。Mちゃんとはキュビスム展の感想を言い合ったり、最近聞いている音楽の話をする。燻製を注文して、お刺身をいただいた。

 

しばらく飲んでからthe sunset beachに予約の連絡をしてみると、これからでも席の空きがあるということだったのでタクシーで向かう。「このお店の生ビールが美味しいので是非飲んで」という話をすると、「大阪にもすごく美味しいビールを出してくれるお店があるよ」と教えてもらえたので、今度連れて行ってほしいとお願いした。

 

京阪四条までMちゃんを見送ってからSpotWORKのマップを開くと、この前バッテリーを回収にいったらその場で「バッテリー数が変動した」と表示が出て回収できなかった、わたしが一方的に因縁を持っているカラオケ&ダーツバーに回収3個の依頼が出ている。今日こそ回収するぞ!と、夜の木屋町をズンズン歩く。今回も前回と同じく、エレベーターが開くとすぐに「1名さま?」と指を立てて聞かれたが、今回も「バッテリーメンテナンスできました」と告げて、あっさりと回収できた。なんだかいい気分。

 

回収できた達成感と、酔った時の空腹感でついつい「大豊ラーメン 木屋町店」へ。相変わらず、木屋町の細い路地を入ったところにある古いお店だ。最後に食べたのはいつのことだっただろう。10年近く前だろうか。でもあれも寒い日だった。味が濃いスープが酒を飲んだ後にたまらない。

 

懐かしの特製チャーシューメン

 

「大豊」を出て、歩いて帰る途中に回り道をするようにグルリと距離を稼ぎながら、コンビニにバッテリーを補充しに行ったりしつつ、帰宅して風呂に入って就寝。

とても楽しくいい1日だった。