いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

4月8日(月) 睡眠は下手なのか病気なのか 謎のお店「気まぐれや」に乗り込む

 

今日は仕事も休みだし、チーズケーキ店のバイトもなかったので、1週間ぶりに1日自由の“フリーな”日だった。朝はゆっくりで、10時くらいに目を覚ました。朝食にヨーグルトを食べて優雅な気持ちに浸る。わたしは無精なので、普段ならヨーグルトの容器から直食いするのだが、こんな日はガラスの器に盛り付け、デザイン性を意識しながら蜂蜜をかけてみた。味は変わらないけど心は豊かになった気がする。

 

午前中は支度をして病院に行った。近所の病院の皮膚科に通っていて、この日も薬を処方してもらおうかと思っていたのだが、この病院には睡眠時無呼吸症候群を専門にする呼吸器科もあることに気がついた。この前からわたしの寝不足や、イビキがうるさすぎて一緒に寝ているパートナーが居間の床の寝ていた件などで、自身の睡眠について医学的なアプローチをとってみたいという思いがが浮上してきていたところだったのだ。これはいい機会なので、受付で「睡眠時のいびきがひどくて困っている」という話をしたら、内科のお医者さんが呼吸器科専門だということで、内科で診てもらえることになった。

 

内科を受診する前に血圧を計測したら心拍が「98回」って表示されていたのですが、高くない?自分の心臓のことを心配していたらすぐに名前を呼ばれた。「睡眠が驚くほど下手なんです」という話をすると、お医者さん曰く「人は老いとともに舌のあたりの筋肉が喉を閉じるように、下がるか上がるかして(うろ覚え)いびきをかくことがある」とのことだった。また、東洋人は人体の特徴的に、首が細くいぇイビキをかきやすいそうだ。これはまったく知らなかった。

 

そのお医者さんは「睡眠時無呼吸症候群かどうかはチェックしてみないとわからないので検査器具を自宅に送るからセンサーを着けて寝てください」という驚きの診断結果がきた。たしかに、「睡眠について診察するのでここで寝てください」というのは患者としても難しいわな。ということで来週、睡眠検査機器が送られてくることになった。なんだかちょっと楽しみである。

 

病院を出ると1時半ごろだった。今度知人の結婚パーティーに呼ばれているのもあって、スーツやらなんやらをクリーニングに出して、昼飯のことを考える。ラーメン屋も近くにあるし、定食屋もある。

 

しかし、わたしが選んだのは、四条通を壬生あたりで南に入ったところにある食堂、「気まぐれや」である。このお店はわたしの家から近くて、何度かお店の前を通って気になっていたお店なのだ。なんと言ってもルックが渋い。「お好み焼き」という暖簾がかけてあるからには、おそらくお好み焼き屋さんなのだろう。店先の黒板には「焼きそば」「焼きそば2玉」「お好み焼き」ときて、次に「餃子」と続く。「鉄板を使って料理をするのかな」ということは予想できる。うーん、気になる。そうとくれば入ってみるしかあるまい。

 

 

お店の前まで行くと、前を通ったときにはなかった「おはぎ」というのぼり旗も立っているではないか。「気まぐれや」は本当に気まぐれになんでも作ってしまう店なのかもしれない。

 

引き戸を開けて店に入ると年配の女性が1人いた。店員さんだろう。そのほかに客はおらず、好きな席に座るよう促された。座ると『焼きそば?」と食い気味に聞かれる。「焼きそば」がおすすめなのだろうか。とりあえず「ビールありますか?」と聞いてみると、「あるよー」とのことで瓶ビールを頼む。

 

店内の黒板には意外にも海鮮がちらほらあった。これはいくしかない。「鰯の煮付け」と「焼きそば」を頼んだ。店内に新聞があったので料理がくるまで読もうと思って取ったのだが、読み始めてすぐ料理がきた。

 

気まぐれやの「鯵の煮付け」と「焼きそば」

そして、料理がきたらこの店員さんが、というかもう「おかあさん」と呼ばせてもらうが、とてもフレンドリーな方ですごい話しかけてきてくれた。わたしの話もよく聞いてくれて、軽く昼食をとるつもりがビールも2本目に突入する。

 

わたしもこの近所に住んでいるという話から、周辺の昔話になるし、わたしが映画が好きだという話をすると、おかあさんが最近観た映画の話になる。ちなみにおかあさんのベスト映画は『アラビアのロレンス』だそうだ。16歳のときに観たのが忘れられなくて、今でも映画音楽のコンサートで『ロレンス』の曲があると行くそうだ。そして『ロレンス』の鑑賞は映画館のスクリーン以外は認めないと言っていて、面白かった。

 

このおかあさんはこのお店を30年以上もやっているらしい。鳥取出身で、京都に来て初めてトンカツを食べたときの衝撃の話や故郷の話、戦争がいかに愚かな行為かな行為かというような話にまで話題が及んだ。かなり長居して気がついたら15時を回っていた。とても楽しかった。帰ろうとお会計をお願いするとお土産におはぎをいただいてしまった。ありがたい。また来ますと言って店を出た。

 

いい気持ちで夕食の食材を買いにスーパーまで歩く。今日はカレーだ。それ以外の食材もすこし買って帰宅し、さっそく調理を開始する。以前冷凍しておいた玉ねぎの細切りを飴色になるまで炒め、同時にほかの食材を切る。今回は薄切りの豚肉を使って豚しゃぶカレーにする。カレーも入れる野菜はじゃがいも、にんじん、茄子とキノコである。さいごに余っていたトマトペーストも入れてみた。

 

カレーを煮込みながら日記を書く。また、洗濯物も取り込む。そうこうしているうちにパートナーから「もうすぐ仕事が終わる」旨の連絡がきたので、カレーの付け合わせにサラダをつくる。レンコンを薄切りしてさっと湯通しし、水菜とトマトときゅうりを切って、マヨネーズベースのドレッシングで和えた。デパ地下のデリ風にしたかったのだが、微妙な見た目になった。まあ、美味ければよし!

 

彼女が帰ってきて夕食。今日の病院のことや、「気まぐれや」でのごとを話す。ひさしぶりにふたりでゆっくりと会話した気がする。食後に、おかみさんからいただいたおはぎを温かいお茶で食べる。あんこってお茶に合う。

 

テレビをちょっと見てから風呂に入って就寝。明日は朝早くからの勤務だったので、この日は0時前には寝た。