いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

4月10日(水) 睡眠成功と「夜めしや きみ」と春の風

 

この日記のなかで散々「わたしは睡眠が下手」と吹聴し、先日病院まで受診したわたしだが、今朝はおそろしくよく眠れた!5年に1回レベルの十分な睡眠。

 

決して寝覚めがいいわけではない。普段と比べるとむしろ眠いくらいで、ベッドから出なくてはいけないと、頭ではわかっているのだが、体が睡眠を求め、寝室を出るのが遅くなった。眠気を抱えたままコーヒーを淹れた。パートナーと同じタイミングで支度をするので、2人とも動きながら今日の予定を言い合う。「今日の夜は飲んできます」と告げて、彼女が「あいよ」と承諾してくれた。

 

出勤しようと外に出ると、朝の日差しがいつにも増して強くなっていて、思わず眼を細める。早くも夏の気配を感じたので、サングラスをかけて家を出た。最近直射日光ですぐに眼が疲れるのだ。これが老いか。若い頃の必要性なんてわからなかった。というか、「カッコつけてる」と思っていた。

 

しかし、ある日サングラスをして1日過ごしてみると、夜まで眼が元気なことに気がついたのだ。その瞬間、いままでサングラスをファッションツールとしか考えていなかった自分の認識の浅薄さへの猛省と、貶してきたサングラス着用者の方々への謝意を心に強く感じた。これがわたしのサングラスが日用品になった瞬間である。

 

仕事をしている間、なんだかすごく調子がいい。普段気が付かない些細なことに気がつき、その対応への思考が早い。そういえば、今日は仕事中に眠気を感じていない。ひさしぶりによく寝たという事実にここで気がついた。いつもよりだんぜん気分もいい。あまりに調子が良すぎて、普段できないような積極的なコミュニケーションをしてしまった気がする。普段わたしのことを「暗いな」とか「寡黙だな」と思っていた同僚たちに、違和感を与えてしまったかもしれない。ただ人間よく寝るだけでこんなにもパフォーマンスが違うものなのか。逆に睡眠が取れる人にとってはこれが普通なのだと考えると、本当に睡眠って大事だ。

 

 

仕事を終えてから、職場の休憩室でここ最近書かずに溜まっていた日記を書いた。ここでもすごく集中できた。文章の質が上がることはなかったけど、休まずに書き続けられる。いやーほんとうに睡眠って大事だなあ。配信が開始されたばかりの宇多田ヒカルの25周年記念のベストアルバム『SCIENCE FICTION』を聴きながら書いていたが、このアルバムもすごく良い。わたしは宇多田ヒカルでは「二時間だけのバカンス」が好き。

 

日記を書き終えた満足感に包まれながら、酒を飲みに西木屋町にある「夜めしや きみ」さんへ。ビルの2階に店を構える、カウンターだけのお店で、店主のKさんが出すご飯もおいしくて、その人柄も含めてとても好きなお店だ。なんだかこのお店にくるとホッとする。

 

そしてわたしはこのお店のメニューのひとつである「エスニック春雨炒め」に目がない。このお店に来ると毎回頼んでしまう。すごくわたし好みなのだ。今回は食べるのに夢中で写真を撮り忘れるほど好きだ。不覚。代わりに、アテ2種盛りの写真を下に載せておく。「新じゃがとニラのナムル」と「人参とツナのしりしり」の盛り合わせにした。このお店では複数のアテの中から自分だけの2種盛りを選ぶことができる。どちらも美味しい!

 

「夜めしや きみ」さんの2種盛り

かなり長いこと飲んでいた。偶然にも他のお客さんが少なめだったので、Kさんとゆっくり話すことができた。というか、Kさんはかなりの聞き上手なのだ。これに甘えてずっと喋ってしまった。

 

ちなみにわたしはこの「人に話させてしまう」というのが、この店主のKさんの特殊能力だと思っている。ほかのお客さんが通っているのを見ていても、Kさんに話を聞いてもらっている人は、話はじめに緊張した表情をしていても、どんどんと緊張がほぐれていくのがわかる。Kさんにこのお店で話を聞いてもらうと、とても安心するのではないかと思う。ちなみにわたしは安心する。

 

わたし如き若輩者がこんなふうに評するのも失礼な話だが、あれは才能だと思う。もちろんお店をやっている以上はきっと意識もされているのだろうが、あそこまで人に話をさせてしまうのは難しいと思う。

 

「この人には自分のことを話しても否定をしなさそう」という人に稀に出会う。Kさんはそういう人で、実際他人に安心感を与えることのできる能力の持ち主だと思っている。

 

だから、なかなか帰れない。長く酒を飲んだ言い訳をするのはよくない。でも、本当にそう思っているし、とても素敵な能力だと思う。その空間、料理、人柄が好きなお店だ。またきます。前に約束していた伊丹十三監督の映画『タンポポ』のBlu-rayを貸す約束をしていたので、Blu-rayを渡した。

 

 

大満足でお店を出て、SpotWORKのマップを開くと、帰り道の方向にバッテリー回収の依頼が2件出ていたので、その作業をこなす。移動距離も増えて運動になるし、春の夜風が顔に当たってとても気持ちがいい。

 

家に帰るとパートナーがソファーで寝ていた。わたしが帰ると目を覚ましたので、今日も楽しかったという話をして、あと眠れるって大事なんだぞ、とほとんど寝ている彼女に言いながらわたしは風呂に入った。

 

そのまま1時ごろに就寝。