いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

3月15日(金) カレーを煮込みながら『句点。に気をつけろ』を読む

 

よく眠れた。今日見た夢では、わたしは映画を見ているような視点で4人の多国籍の男女の関わりあいを見つめていた。「やっぱあと2カ国後くらいは学んでみたいな」と思いつつ起床。

 

コーヒーを淹れる。NHKを流しながら日記を書いていると、パートナーが起きてきた。彼女は星野源と付き合って、別れる夢を見たと言っていた。出勤する彼女を見送って、日記の続きを書く。わたしは今日は昼過ぎから深夜までの仕事だったので、午前中はゆっくりすることにした。

 

日記を書き終えて、昨日材料を準備しておいたカレーを作る。すでに具材は切ってあるのであとは炒めて煮込むだけ。すごく簡単に感じる。鮮度が関わってくるので、調理行程を2日に分けるのが難しい場合も当然あるけど、この方法は楽でいいなあ。

 

 

カレーを煮込みながら、昨日買った尹雄大の『句点。に気をつけろ』を読む。

 

 

 

コミュニケーションで良しとされているのは句点「。」で言い切る、収まりのよい滑らかな言葉。でも、それって本当に自分の言葉ですか?

インタビュアーとして多くの人の言葉を聞いてきた著者が「もどかしいままを口にする」ことの重要性を説く、新しいコミュニケーション読本。

参照元:光文社Webサイト:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334102302

 

 

ここ数年、わたし自身も言い切る、わかりやすい話し方への違和感を感じていたところで、そんな時にInstagramでフォローしている一乗寺恵文社という書店でこの本の刊行記念トークイベントがあるというのを知り、本も著者のことも知らないままイベントの予約をしていた。それが1ヶ月以上前のことで、気がついたら明後日にイベントが迫っていたので慌てて昨日本を購入したのだった。我ながら失礼な話である。

 

『句点。に気をつけろ』は、穏やかで平易な文章がとても読みやすかった。ただ、急いで読んだので、あとで読み返すのを前提に、気になった文章のページの角を折りながら読み進んだ。

 

内容は「現代社会が求める言葉にしやすい理想的な概念や、“こうあるべし”みたいな姿を内面化した私たちは、存在しないかもしれない理想像を求めるあまり「いまここにある自分」をないがしろにしているのではないか?」という疑問を、心と体と言葉の視点で考える本だった。

 

わたしが普段ぼんやりと思っていたことに近いことを言葉にしてある気がして納得するところもあれば、そういうことだったのかもなあ、と考える端緒みたいな発見もあって、とても面白かった。本を読む前に読んだ短い内容紹介を読んだときの「こんな本なのかな」というふんわりした予想では、もっと話す内容から言葉の側面を掘り下げるものかと思ったが、もっと身体論に近いアプローチで意外だった。

 

わたし自身ここ1ヶ月くらいのあいだ日記を書き続けていて、体験して感じたことをうまく言葉にできないと感じている。そもそもなにかを言葉にするということ自体、自分の感情や記憶を編集することだと思っているので、伸びた枝葉を後から剪定して整えているような、「とりあえず見せられる形にはなったけど、複雑だったはずのなにかを確実に取りこぼしている」感覚がある。個人的には「話すのがうまくなる」とか「文章が上達する」とは、「思ったことをそのまま言葉にできる」というように、解像度が上がっていく方向に進むのかと思っていた部分があったのだが、この本の内容からいうと決してそれだけではなさそうだ。

 

『句点。に気をつけろ』の本の後半では、より身体的な思考に向かっていくのが新鮮だったので、明後日のトークイベントではそのあたりのことももっと聞けたらいいなと思う。楽しみだ。

 

 

読書を終えて、今日の夜に備えて仮眠をとろうと思うが、そんなにうまく寝れれば苦労はない。それはわかっているけど、とりあえずベッドに横になり目を瞑ってリラックスする。

 

まあ眠れないよな、と思いながらベッドを出て、さっき作ったカレーを食べて支度をして出勤。外は晴れていて、とても暖かい。完全に春の陽気だ。来週はまた冷えるそうだが、この気温の上下はわかっていればそこまで怖がることでもない。着込めばいいし。それより今のうちに暖かさを堪能しておく。自転車を快調に漕ぐ。新しいバーテープもなかなかいい具合だ。

 

 

仕事をして、終わったら深夜0時すぎ。いつもの通り、バッテリー作業のマップを開く。金曜の夜だし、回収バッテリーがあるのではと期待したが、そうでもなかった。木屋町のコンビニに4個の回収依頼があったのでその作業を予約して向かう。木屋町は繁華街なので遅い時間でも人通りが多くて、夜の仕事の人たちやお酒に酔って楽しそうにしている団体、外国人観光客の家族連れなどで賑やかだった。コンビニで南アジア系の店員さんに丁寧にバッテリースタンドの位置を教えてもらって作業を行う。その近くで今度はバッテリー補充の依頼があったので、コンビニに5個の補充をしてノルマを達成したところで帰路についた。

 

 

帰宅するとパートナーがソファでうたた寝していた。わたしはカレーを温めてビールを飲んだ。すこし『句点。に気をつけろ』を読む。まだ寝足りないパートナーと、皿洗いじゃんけんをして、見事勝利して風呂に入る。上がっても彼女はまだ起きないので結局わたしが皿洗いをした。それでも彼女は「お皿置いといてー」と言っていて、おもしろかった。

 

カラマーゾフの兄弟』を進めようと思ったが、眠気がきたので3時前に就寝。