いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

3月25日(月) 『カラマーゾフの兄弟』を読み終わる

 

朝9時前に起床。外は雨。まだ少し眠いので、あとで仮眠をとろうと思いつつコーヒーを飲む。パートナーは仕事に行ったあとだった。

 

朝食に冷凍庫に入っていた超熟をトーストする。冷凍した食パンを焼く時のコツは両面をしっかり焼くことだ。というわけで、じっくりと焼いていたのだが、ここで日記を書き始めてしまったせいでトーストをほったらかしにしてしまって、パンを焦がしてしまった。もはや、バターを塗るのもめんどくさく、また焦がしてしまった責任を全面的に受け入れる姿勢を表明するためにもこのまま食べてみることにした。たしかに苦味もあるが、いけないこともない。最近わたしのズボラさが加速している気がする。まあでも基本的にわたしの料理のモットーは「食べたら証拠隠滅」なので、これでいい。

 

今日は午後から大阪に出かけて、飲みにいくことにしていたので、15時ごろまでには部屋に掃除機をかけて洗濯ものも片付けておきたい。しかし、家事を始めるにはまだ眠気があったので、まずは仮眠をとることにした。しかし、いつものことだがやっぱり眠れやしない。ベッドに寝転んだまま、Podcastで「安住紳一郎の日曜天国」を聴いていた。

 

眠れないので諦めて洗濯機を回す。「日曜天国」のなかで、やたらとお好み焼きに関するリスナーからのメッセージが多かったので、お昼ご飯はお好み焼きを作ろうと冷蔵庫を開けるが、豚肉もなければキャベツもない。「お好み」というくらいなのだから、なにを入れたっていいだろう。冷蔵庫にあったエノキ、にんじん、エリンギ、玉ねぎなどの余りものの野菜を細く切って、油揚げを肉の代わりにして、ついでに1日賞味期限のすぎていた豆腐も入れて、お好み焼き風のなにかとしてフライパンで焼いた。豆腐から出てきた水分を飛ばしながら、同時に掃除機をかける。掃除機をかけては、お好み焼きもどきの様子を見るという反復作業を繰り返すこと30分。お好み焼きもどきは生地がゆるゆるではあるが一応焼き上がった。この間に2度目の洗濯機を回す。

 

お好み焼きもどきはお好み焼きとは全く違うものにはなったが、なかなか美味しい。というかオタフクソースとマヨネーズの力で大体お好み焼き味になるのでまったく問題なかった。

 

支度をして、洗い終わった洗濯物を近所のコインランドリーに持っていき乾燥機に入れた。どうせだからとベッドのシーツや布団カバーなどの大物もすべて洗って乾燥機に投げ込んだ。30分ほど乾燥するようにコインを入れて、家に引き返す。

 

家に帰って、昨日できなかった革靴の手入れをする。わたしは革靴を磨くのが結構好きだ。昔、職場の先輩に革靴を磨くのが大好きな人がいて、楽しさを教えてもらった。その先輩は革靴を磨いて、その靴を見ながら酒を飲むような、とても個性的な人だったけど、その人の話を聞いていると本当に靴とその手入れが大好きなのだということが伝わってきて、話を聞くのが好きだった。

 

先輩はいまは東京に転勤になってしまったけど、今も革靴を磨いていると、思い出す。

 

革靴を磨き終わって、ちょうど乾燥終了時間になった。コインランドリーに乾燥した服を取りにいき、家に帰って畳む。服が暖かくて、ほかほかとした服の小山を前に作業をしているとじんわり汗をかいてきた。部屋の窓を開けて外の冷たい空気を入れた。

 

ひと段落ついて時間を確認すると予定していた時間から1時間も遅くなってしまった。家を出て阪急電車に乗り、大阪を目指す。電車内では残り数ページになった『カラマーゾフの兄弟』を開いたのだが、すぐに眠気がきた。眠気よ、今くるのかい。しかし抗えず、電車内でうたた寝淡路駅のあたりで目が覚めて、いくらかスッキリした。また『カラマーゾフの兄弟』の続きを読む。

 

カラマーゾフの兄弟』を読み始めて半年くらいだが、やっと読み終わった。あまりに長いので敬遠していたが、読んでみるとまったく固い話ではなくて、ユーモアの面白さが一番印象に残った。巻末の解説を読んでみると、ドストエフスキー作品では、宗教的な問題意識や西欧の価値観とロシア知識人への批判、善と悪といった根源的なテーマは含まれものだそうで、読む前は歴史的傑作という評価も知っていたし、勝手に形而上学的なテーマを扱った重厚な物語を想定していた。しかし、作品のなかで描かれているのは、矛盾を抱えながら生きている登場人物たちが人生を活き活きと生きている物語だった。たしかに傑作には間違いない。ドストエフスキーは『カラマーゾフ』は2部作で構想していたそうだが、1作目で、この完成度だ。とても面白い読書だった。

 

用事を済ませて、梅田でSpotWORKのバッテリーをMBSホールに併設されているコンビニに補充した。そして中津にある立ち飲み屋「マウントスギ」へ。このお店は数ヶ月に1度通っている立ち飲み屋さんだ。娘さんとそのお父さんでやられている立ち飲み屋さんで、店内はオシャレでかわいくて、娘さんのMちゃんとお父さんのSさんのふたりの佇まいと接客がとても居心地がよくて、わたしはこのお店が大好きだ。料理も美味しい。

 

このお店に何度か通ううちに知り合いになった常連の面々がすでにお酒を飲んでいて久しぶりにおしゃべりをした。みんなに「痩せた?」と言われる。ここ最近バッテリーを運んでいることもありだんだんと体が引き締まってきた。この半年のあいだはずっと体重が減っているので、数ヶ月に一度しか会っていないとた急に痩せたように見えるのだろう。

 

飲んでいると、京都のレボで知り合ったT兄がやってきた。今日わたしがくることを知って来てくれたということだった。お互いマウントスギに行っているという話を前々からしていて「いつかマウントスギで一緒に飲みましょう」と話していたのだ。車で来ていたので、T兄はお酒は飲めなかったが、楽しかった。今度は一緒にお酒を飲みましょう。ありがとうございました。

 

マウントスギのおひたしとコロッケの卵とじ

居心地が良すぎてあっという間に時間が経ってしまう。結局閉店時間までお店に居残ってしまった。長い時間居座ってしまって申し訳ないが、とても楽しかった。

 

帰りの電車のなかでは長嶋有の『夕子ちゃんの近道』を読み始めたが、すぐに眠気が来てしまいほとんど進まなかった。同じ文庫本なのに『カラマーゾフ』に比べて字が大きいな!

 

 

家に帰って、風呂に入って就寝。