いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

3月20日(水) 突然の停電でも友達と一緒なら楽しめる

 

昨晩遅かったので、朝も少し遅くまで寝ていた。9時前に起床。居間に向かうと先に起きていたパートナーがコーヒーを淹れてくれていたので飲む。朝食に少し前のホームパーティーの時に、友人MさんとMOTさんからいただいた韓国旅行土産のベーグルチップスを食べる。ベーグルパンをスライスして乾燥させたものだろうか。味はハチミツ味で美味しい。コーヒーともよく合う。

 

パートナーはテレビを見ていた。わたしは日記を書き始める。今日は本業は休みで、友人のYさんのチーズケーキ店を手伝う予定が午後から入っていたので朝はゆっくり過ごした。パートナーは「もうひと眠り」と寝室に行った。わたしは日記を書き終えてからまた『カラマーゾフの兄弟』の続きを読んだ。物語が佳境に入ったのだ。おもしろい。

 

 

今日の天気は、朝の予報では昼間に少し雨が降っても夕方には晴れるということだった。朝は雨が降っていなかったので、わたしもチーズケーキ店までは自転車で行こうかと思っていた。支度をして家を出た。お昼ごはんを食べる余裕がないくらいゆっくりしてしまった。

 

外に出ると強くないが雨が降っている。しかしそんなことよりも、おそろしい勢いで風がびゅうびゅう吹いている。これは自転車ではいけないので、リュックサックから折り畳み傘を出して歩いて向かう。途中何度傘が逆側にひっくり返ったかわからない。傘の骨も折れた。気に入っている傘だったのに残念だ。道を歩く人のなかには、傘を手に持っているのに差していない人もいて、この強風のなかでは埒が明かないと思ったのだろう。

 

風に煽られながらなんとかお店まで辿り着き、Yさんに挨拶をする。一昨日チーズケーキ店の手伝いに入った日も風が強かった。わたしがチーズケーキ店で働くとろくな天気にならないようだ。Yさんも「今日はこんな荒天だし、お客さんは少ないかもしれない」と言って、実際お客さんは多くなかった。チーズケーキ店の接客に不慣れなわたしとしてはお客さんが多すぎてもお客さんに迷惑をかけることになってしまうかもしれないと不安だったが、せっかくの祝日だし賑わったほうがいいに決まっているのだが、残念だった。

 

お客さんも少ないので、16時ごろに早上がりとなった。あとでYさんとは夕食を一緒に食べに行く予定があるので、一旦別れて、その夕食の時間まで映画でも観るかと調べてみる。ちょうどいい時間の映画は『DUNE 砂の惑星』の続編くらいだったが、この映画はパートナーと一緒に観にいこうと約束をしていたので、映画を観に行くのはやめにした。というか1作目の内容をあまり覚えてないし、見返してから観たかった。

 

結局、一度家に帰宅した。パートナーはメイクをしていた。あとで彼女も含めて、先述のMOTさんも含めた4人で食事に行くのだ。でも予定は19時半からだったのでまだだいぶ時間があった。彼女は支度をしたらゲームでもして過ごすとのことだった。それならわたしは先にちょっと一杯と飲みに出ることにする。ついでにコートをクリーニングに出しておこうと、コートを丸めてリュックに無理やり詰め込んだ。

 

SpotWORKのマップも確認したが、依頼は見つからなかったし、天気が荒れていたのでもう今日は休みにした。

 

大宮五条にある立ち飲み屋「あしべ」へ。このお店は一時期けっこう飲みにいっていたのだが、最近は全然いけていなかったお店だ。若いご夫婦でやられている人気店で、お酒とケーキが楽しめるし、割烹出身のご主人の美味しいおつまみも食べられるとてもいいお店だ。行ってみると当然のことだが店内はいっぱいだったが、なんとか壁際の席に通してもらった。1年近くは行っていなかったので、わたしのことは認識していないかもしれないな、と思っていたが、あちらもさすがプロ。すぐに名前を呼んでくれた。

 

わたしは顔と名前を覚えるのが大変苦手なので飲食店の方々の、顔と名前を覚える記憶力には感心するばかりだ。わたしなら名前を忘れていないにしてもすぐに見分けられない。仕事をしても仕事相手の顔を覚えるのに苦労してばかりだ。あしべは立ち飲みカウンターとテーブルが2卓という店内構成だが、今日はテーブルも満席でそちらはお酒とケーキを楽しむ男女だった。カウンターはどうやら常連のお客さんたちと外国人の観光客がお酒を飲んでいた。

 

ご主人のTちゃんは花粉なのか原因不明だが喉をやられているそうで、声が出しにくそうで辛そうだった。それでも板前に立つのだなあ。プロフェッショナルだなあ。ケーキ担当のBやんはいつも通り明るく接客してくれて、ご無沙汰していたのにとても優しい。「明後日周年なんですよー」と言っていた。当日は仕事でいけないけど、すぐに来れたらいいなあ。「記念に1杯どうぞ」と言おうと思ったが、お店の二人はすでに今日何杯かいただいているようだし、Tちゃんの具合も悪そうなので自重した。ビールに「豚バラ肉の炭火焼きとふきのとう味噌」を合わせて酒を飲む。このあとが友人たちと夕食なので1品だけにしたが、以前と同様とても美味しい。慈しむように味わって、店を出た。

 

「あしべ」の料理は相変わらず美味しい

 

家に帰るとパートナーは「ホグワーツレガシー」をしていて、闇の魔法を唱えて、敵の魔法使いたちを空中に放り上げていた。わたしはまた『カラマーゾフの兄弟』を読んだ。あしべに行く途中でクリーニングに行けなかったので、わたしはパートナーよりも先に家をでて、クリーニング屋へ。外に出てみると、天気は回復に向かうとの予報はなんのことやら、猛吹雪だった。正確には降っていたのはみぞれだったが、風が強くてまるで吹雪のように見えた。強風のなかを歩いてクリーニング店にコートを出して、それからいろいろなお店の軒先を借りて雨宿りならぬ雪宿りをしながら、夕食のお店「bubblegum.」へ。

 

bubblegum.」は、わたしを含めて今日ご飯を一緒に食べるメンバーには思い出のイタリア料理店で、前にこのお店に行きたかったが「ひとりでいくにはハードルが高いからみんなで行こう!」となって、それから定期的に同じメンバーで食事にいくようになったのだった。本来ならここにわたしに韓国土産をくれたMさんもいるのだが、残念ながら今日は予定があり、参加できなかった。以前ホームパーティーをしたのも同じメンバーだ。わたしはこの人たちが大好きである。

 

sunatoniku.hatenablog.com

 

席は予約していたので、名前を言って席へ。さっきまで一緒に働いていたYさんもすぐに入ってきて、そこにパートナーが続いてMOTさんもやってきた。みんな揃って、ドリンクを頼んで、これからというその時、店内が真っ暗になった。一瞬、「サプライズ演出かな?」という考えが頭をかすめたが、店員さんが慌てている。どうやら停電のようだ。しかし、隣のお店は電気がついている。一体どういうことだろう。雪のせいだろうか、それともブレイカーが落ちたか。お店の人たちが焦っているのだけがわかる。

 

とはいえ、こうなったものは仕方がないので、先にテーブルに来ていた瓶ビールをグラスに注いで飲む。そのうちMOTさんがスマホのライトの上に瓶ビールの瓶を置いた。明かりがない時、水を入れたペットボトルに底からライトを当てると簡単にランタンになるという防災知識の瓶ビールバージョンだ。ガラスが厚いからか、あまり光が出てこないので今度はビールの入ったグラスを置いてみたところ、明るくて綺麗だ。これは発見だ。ビールのグラスに立ち上がる小さな泡にも癒されて、周りは真っ暗で、暖房も止まって寒くなってきたが、みなで「綺麗、綺麗」と盛り上がる。

 

 

スマホの種類で色が変わってビールランタン綺麗

 

突然の停電でも、それはそれで楽しめばいいのだ

 

店員さんは手を尽くしたが、どうやら電気の復旧は電力会社が駆けつけるのを待つしかないらしく、料理とお酒をできる限り提供することにしたようだ。お店の人のせいではないし、わたしたちはとにかくこの場を楽しむことにした。料理は絶品なので、料理が運ばれてきたらお酒も進む。この非日常感も楽しい。こうなりゃ店内は運命共同体なのだ。楽しくいきましょうとばかり、わたしもしょうもないことを喋り続けた。最後に残るのは笑いと雑談だ。

 

暗いなかではトイレも流せないということで、2階の別のお店であるワインバーにトイレを借りにいったり、向かいのお店からランタンを借りてきたりしながら、暖かい料理を中心にこんな状況でも絶品の品々を味わう。

 

停電しても美味しい「bubblegum.」のサーモンの混ぜるやつ(料理名は失念した)

ちなみに上記の写真は、ランタンを手で持って照明にして撮った。そんなふうに楽しく過ごしていると、やがて関西電力の作業員の車がやってきて、到着したら数分で電気がついた。お店の人は平謝りしていたが、別に楽しかったし、貴重な経験だった。お店の人の心労だけが心配だった。そのあと食事をしていると、お詫びということで、お店の人からシャンパンをひとり一杯ずついただいた。みんなで文明の利器に乾杯。

 

しっかりデザートまで食べて、0時近くに解散した。みんなまだまだ寒い中別れて帰っていく。楽しかった。一人で酒を飲むのも好きだが、人とご飯を食べるのは本当にいいなあ。飲み終わるのが寂しくて、帰り道の途中にあるすき家牛皿を買って帰って家に帰って飲み直してしまった。

 

パートナーは先に寝てしまって、Youtubeを見ながらビールと牛皿で飲んでいたらいつの間にか4時も過ぎていて、シャワーを浴びて就寝。盛りだくさんだったが楽しい1日だった。