いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

2月24日(土) ライバル登場!とバッテリー大漁の夜

 

天気は連日の雨の間の晴れ。早朝、目覚ましをかけた時間よりも1時間早く目が覚め、もうちょっとだけと軽く寝るつもりで寝入ったあとに、ふっと気がついたら外が明るくて、「寝坊した!」と叫びながら飛び起きた。しかし、ちゃんと時計を見たら、そこにはいつもの起床時間が表示されている。ここ最近ずっと朝から空が暗かったことに慣れ、あまりの日光の明るさに自分が時間を勘違いしたことに気がついた。

 

 

起き出してみて、まだ自分の胃にすこし違和感を感じる。朝ごはんは消化のいいものにしようとバナナを食べ、コーヒーは牛乳を混ぜて飲んだ。朝から仕事だったので、支度をして出ていく。重い胃を抱えて自転車を漕いで進む。それでも久しぶりの朝日を浴びて、気分はいい。

 

 

仕事中はわたしの内臓が普段よりも存在を主張していて、パフォーマンスが落ちたような気もするが、病人特有の内省なのか、客観的な判断が普段よりも冴えていたような気がする。仕事をしているとだんだんと体調もよくなってきた。

 

 

仕事を終えて、帰宅した。今日はお休みのパートナーが洗濯・掃除・買い出しを済ませてくれていて感謝だ。ふたりでテレビを見ながら、彼女が昨日法事でいただいたバウムクーヘンを切り、コーヒーを飲んでティータイム。

 

今日の仕事の話をしているなかで「個人には個人の言い分があって、当然みんな考え方が違う」という流れから休憩中に読んだ面白いコラムを思い出したのでその話をする。

 

https://www.moderntimes.tv/articles/20240202-01Laos/

(参照記事:「水牛がおぼれて死んだので、今日は欠席します」。ラオスで学んだ、他者の合理性を透かして見る方法)

 

内容は割愛するが、「他者には他者の合理性がある」という話で、相手が自分の生活しているところと違う場所だったり、違う文化だとなおさら、自分が理解し難いこともあるだろう。同じ文化圏の隣人だって、自分とは考え方が違う。そんな時に、自分の持っている価値判断の物差しで答えを出そうと急いでしまうことはほとんど暴力的であり、相手との関係をダメにしてしまう可能性があるという話である。

 

わたしは接客をすることもあり、いろいろなお客さんとコミュニケーションをとるので、理解できない言い分を聞くこともある。そんな時についつい自分のなかで「この人はこういう人なので何を言っても通じないのでは?」と答えを急いでしまうこともある。しかし、ここで答えを出さずに「相手の合理性」に耳を傾けるという行為を挟むことが大事なのだ。見習いたい。

 

今夜は知人のお店に飲みに行く予定だったのだが、その前にSpotWORKのマップを見てみると、なんと近い場所で回収依頼4個という大量回収のピンが立っていた。喜んで作業予約をする。

 

食事前にひとっ走り!意気揚々と家を出てマンションのエレベーターのスイッチを押して、ふともう一度マップを開くと、わたしが予約したはずのピンが消えている。そんなはずはないと仕事予約を確認すると、

 

「バッテリー数の変動か、他のワーカーの予約によって作業依頼がなくなりました」

 

という内容のポップアップが出た。なんとわたしの予約したバッテリーは利用者に持っていかれたか何かでそのスポットからなくなってしまったらしいのだ!

 

マンションの廊下で「そんなことあんの?!」と声に出していた。しかし、冷静になるとこういったことはありうるという説明を受けたのを思い出した。わたしが勝手に、「作業を予約していればその作業は1時間は確保できている」ものと思い込んでしまっていたが、決してそうではないのだ。つまり作業を予約して移動しても、目の前でバッテリーを持っていかれたらそれでその作業は無効になるのだ。く、悔しい!!

 

(心で)泣きながら、家に帰る。パートナーに悔しさを吐露して、このままでいられるか!いや、いられない!と少し家からは遠いが、京都駅の南にある単数の回収依頼を予約して自転車を漕ぐ。外は夕暮れでだんだんと暗くなってきた。それでも連休のまん中の京都の道路は車が多い。京都駅に近い道路では渋滞しているところもあった。

 

京都駅の南側を駆け回って1個の回収依頼を2件済ませる。京都市の中心地は南のほうから高速に乗るので、わたしが回収に向かったコンビニでは移動の途中に立ち寄った運転手や、家族連れでレジが長い列になっていた。もちろん、お店の邪魔をしないようにレジの列がなくなるまで待ってご挨拶をして、作業をする。コンビニの店員さんは大変だ。でも笑顔で対応していて、見習いたい。わたし以外にもUberの買い出しデリバリーの人の対応もしており、コンビニの業務は多岐に渡っていて、間違いなく今の日本の生活の要、ほとんどインフラとなっている。実際、生活インフラの利用料金はコンビニで支払いをする人も多い。もっとコンビニの給料が上がってほしいな。保育士や介護士と同じぐらい上げてほしい、上がってしかるべき仕事だ。

 

 

さてバッテリー運びの道中に、とパートナーに頼まれたおつかいがあったので、京都駅の伊勢丹にいく。また伊勢丹の近くのコンビニにも回収依頼のバッテリーがあったので、1個回収を済ませて向かう。伊勢丹に入るが、わたしは自転車のペダルに金具を嵌め込んで足を固定するビンディングシューズという自転車用シューズを履いており、金具が床に当たると「カチャカチャ」と音がして、デパートを歩くのがちょっと恥ずかしかった。

 

用事を済ませて帰るついでに梅小路公園近くのコンビニに補充依頼があったので、少し帰るには遠回りになるが、補充してから帰ろうと向かった。寒さで鼻水が出てしまう。しかし、コンビニの店員さんに汚い印象を持たせては今後他のワーカーが敬遠されても双方にとってよくないので、入店前に鼻をかんで、笑顔で挨拶をする。しかし、店員さんはなんだか「?」の表情で、バッテリースタンドを見た。わたしも目を向けると、スタンドの前でひとりの女の子がスマホを見ている。

 

まさか……。その女の子はわたしを一瞥して笑顔で軽い会者をしてから店を出た。その瞬間、わたしの予約した補充依頼が消えた。本日二回目の予約キャンル!今度は「他のワーカーの作業」でわたしの作業が消えるパターンだ。しかも目の前で!週末の京都は地獄だぜ……。本日2度目の予約キャンセルなので、ショックはそう多くはなかった。

 

というか、初めて自分以外のワーカーを見たのがちょっと嬉しかった。同じマイナースポーツの競技者に出会ったみたいな、しかもソロ競技のライバルあらわる、といった感じで楽しかった。

 

ちなみにこの時点で自転車を1時間半くらい漕ぎ続けていたので、疲れてきてハイになってしまっていたというところもある。ランナーズハイみたいなものです。そんな疲労のなかの妄想では、架空の少年漫画「バッテリーデリバリー カケル!!」のストーリーを考えていたので、そういった漫画では必ずある展開であるところの「ライバルキャラの女の子の登場だ!」くらいのことを考えていたので楽しくなっていた。

 

遠回りになるのだが、他の補充スポットを探して、今度は補充成功して帰宅した。今日はいろいろな失敗パターンを体験したが、わたし的にはゲーム性が高いポイントを発見した感覚で、俄然楽しくなってきた。

 

そこから知人のお店、壬生モクレンへ。店主のMさんのご飯を食べながらたのしくおしゃべりする。SpotWORKを使った遊びのことも話して、みんな「ChargeSPOT」でバッテリーを借りて使っていても、その偏りをなくす作業がどんな仕事か知らないので、けっこう話がウケる。わたしもこの仕事の話を聞いたときにおもしろいと思ったし、その気持ちはとてもわかる。あまりに楽しくて、ビールのお供にモクレンのメニューのほとんどを注文して食べてしまった。

 

壬生モクレンの唐揚げ 驚くほど柔らかくておいしい

 

モクレンはさまざまな人たちが集まれるハブのような場所で、いくたびいつも幸せな気持ちになる。知らない人で集まってもいつの間にか、前々からの知人のように話をさせてしまう雰囲気がある。すごいことですよ、これは。

 

 

閉店時間の22時になったので、店をでる。またマップを見ると、家とは反対方向ではあるが、徒歩範囲内に回収バッテリーが1個の依頼と、4個の依頼が見つかった。すばやく予約。夜の街を歩く。回収して、またマップを見ると今度はわたしの家の方向にまたもや4個の回収依頼が!運動のためのSpotWORKだが、もうなりふり構わず、電車を使っって移動し、また4個回収!

 

さすが週末の夜!バッテリーバブル!カバンも持っていなかったのでコートとズボンのポケットをバッテリーでパンパンにして、ズボンが重さでずり落ちないように変な歩き方で帰宅。

 

パートナーに大漁歓喜の報告をして、風呂に入って就寝。

 

今日はわたしのSpotWORK史上、最高の回収個数だった。わたしの場合は運動さえできればそれでいいのだから、たとえば今日の予約キャンセルにしたって運動につながった時点で成功である。しかし、わたしとてひとりの狩人(バッテリーデリバリー)。大漁はうれしいのだ。この遊びの奥深さが感じられて、ライバル?にも出会えて美味しいご飯と楽しいおしゃべりがあって、いい日だった。