いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

4月13日(土) 坂ノ上音楽祭へ 天王寺=天国、おじさんたちは楽しい地獄で待つ

 

今日はパートナーは法事があり、わたしはわたしで大阪に行く予定だったので、ふたりとも仕事は休みだったが、8時に起床。パートナーは礼服を着て支度をしていた。普段はラフな格好をばかりなので、彼女がスーツを着ているのはなんだか変な感じだ。私は折り畳み椅子をリュックに突っ込んでいた。折り畳まれて袋に入れられ、円柱状になった椅子はリュックサックに収まりきらず、ランドセルから突き出したリコーダーのように、カバンから頭を出している。わたしは今日は音楽フェスに行くのだ。

 

sakanoueongakusai.com

 

大阪の天王寺にあるてんしば公園で開催される、入場無料の野外音楽フェスで「坂ノ上音楽祭」という2日間の音楽イベントである。去年も、わたしがよく行く京都の立ち飲み屋さん「レボリューションブックス」の常連さんたちに誘ってもらい参加した。今回は中津の立ち飲み屋「マウントスギ」のMちゃんと一緒にいった。本当はもう1人来る予定だったのだが、2日目に行くことになったそうで、今日はMちゃんと2人で参加だ。

 

阪急電車に乗って大阪を目指す。最近日記が溜まっているので電車のなかでもPCに向かって日記を書いていた。京都からは一時間半くらいで着くのだが、いくら書いても日記が進まないというか文字数が多すぎて1日分しか書けなかった。あっという間に天王寺に着く。

 

天王寺の駅のなかでMちゃんと偶然合流した。同じ電車に乗っていたようだ。「坂ノ上」ではお酒を飲みまくるわけだが、なんと言っても大事なのは水分補給。駅の中のドラッグストアで2リットルのペットボトルの飲料水を購入して、ボトルを抱えて会場へ向かった。

 

イベントは11時スタートなので、わたしたちがついた時にはフェスは始まっていて、会場はかなりの盛り上がりを見せていた。Mちゃんは大阪生まれ大阪育ち、酒・音楽好きは大体友達なので、会場のDJブースでDJをやっている人も知り合いだという。挨拶をしにいくMちゃんの横でへらへら踊るわたしだった。

 

DJブースで音楽を聴いて、ステージの方へ向かう。ステージに向かって左側に位置取りして折り畳みの椅子を開いて座る。天気がよくてとても気持ちいい。日差しが強いのでふたりとも着席と同時に日焼け止めを塗る。わたしもそうだが、肌が白いひとは日に焼けると小麦色の肌になんてならず、真っ赤に腫れてしまう。火傷になるのでこれが大事なのだ。

 

ステージではキセルが歌っていた。穏やかな雰囲気と調和していて気持ちがいい。ビールを開けてさっそく乾杯。Mちゃんが美味しいパンと赤ワインも持ってきていくれた。ありがたい。

 

 

最高に気持ちいい。キセルが終わって、再びDJエリアへ向かう。Halfbyさんという方がDJをしている時間だった。京都が拠点の人のようで、とてもいい評判を聞いていた人だったので、SNSもフォローしており、実際にDJをやっているのを聴いてみたかった。DJエリアで体を揺らしていると、T兄という、レボリューションブックスで知り合って、マウントスギにも通っていてMちゃんとわたしの共通の友人と出会った。今来たところのようで、その場で乾杯した。酔っ払って、汗をかいたおじさん同士で写真を撮りあった。この光景は、人によっては「地獄だ」と形容してしまうかもしれない光景だが、本人はめちゃくちゃ楽しいのだ。おじさんたちは君たちを「楽しい地獄」で待っているよ。

 

T兄にレボリューションブックスの他の常連の方々の大体の位置を伝えると、T兄は会場に消えていった。わたしたちもまた芝生エリアに戻る。椅子に座ってのんびりしていると、件のレボリューションブックスの常連の方々がやってきて、みんなで次に歌う君島大空の演奏をステージ前で聴こうと誘ってもらった。せっかくなのでMちゃんとふたりでステージ前に向かう。

 

ちなみに坂の上音楽祭では、ステージ目の前のスタンディングエリアはお酒を持ち込んではいけない。なにも持たずにステージ前へ。しかし、肝心の誘ってくれた皆とはぐれてしまった。そうこうしているうちに君島大空が歌い始めた。最初はあたりを見回して探してもいたのだが、君島大空の歌がよすぎて、どうでもよくなった。こんなにいい音楽を聴いているのはたしかだから大丈夫だ。そして君島大空の演奏がギター1本の弾き語りだったのだが、こんなにもいいものなのかと驚いた。

 

 

君島大空を聴き終わってからはフードエリアへ。坂の上音楽祭はクラフトビールの会社が主催なのでクラフトビールと、美味しそうなソーセージを買って椅子に戻った。椅子に戻って談笑しながら、音楽を聴く。最高に気持ちがいい。次にSPECIAL OTHERSのライブが始まると周りの観客たちが踊りはじめた。「スペアザ」の音楽力、すごい。Mちゃんとはいろいろな話をした。そのなかで、大阪の中之島美術館のメンバーシップにペア入会すると少し安くなるという話題になり、入会することにした。ちょうど先日、今開催されている「没後50年 福田平八郎」展が超良かったという話を聞いたばかりだった。次はこれに行こうという話になった。これも楽しみだ。

 

Mちゃんは今日のトリの天才バンドを近くで聴きたいと言っていたので、天才バンドが歌い始める前のタイミングで「前に行く?」と聞いてみたのだが、椅子に座って聴くのが気持ち良すぎて「このままでいいや」と言っていて笑った。最後まで、お酒を飲み、おいしい食べ物を食べ、いい音楽を聴きながらよく笑ってよく喋った。「「誰かの彼女になりくさっても〜♪」」と天才バンドに合わせて歌いながら、会場を後にした。

 

 

てんしば公園を出て、天王寺飲みを開始する。一軒目は先ほどDJをしていたHalfbyさんがInstagramで訪問しているポストを見て、会場で知った「明治屋」というお店へ。ビバ!インターネット社会。このお店は天王寺駅の近くのお店で、どうやら新しくなった商店街のなかの一軒。しかし、その一軒だけ店構えがはっきりと異質だった。好きな外見である。

 

 

店内の写真撮影は禁止だったので料理の写真はない。

 

店内はお客さんでいっぱいで、最初はテーブル席に案内されたのだが、お店の人からやっぱりカウンターに座ってもらえるかと聞かれ、移動した。わたしたちはカウンターで飲むのが好きだ。お店の人の動きや、カウンターでひとりでお店と飲んでいるようなお客さんを見るのが好きなのである。

 

隣に座っていた4〜50代の男女のお客さんに話かけられて応じていると「ここのお店は『しめ鯖』と『湯豆腐』だよ」と教えていただき、その2品を注文した。もちろん大瓶を飲む。「しめ鯖」も「湯豆腐」も本当に美味しかった。

 

また、写真が撮れないのが本当に惜しいが、「明治屋」には燗をつける専用器具?器械?がありそれが本当にかっこよかった。あの色はおそらく銅製だと思う。雪平鍋のように凸凹とした見た目で、注ぎ口から徳利に日本酒を注ぐ。見た目はとてもきれいな状態で、先ほどわたしたちに先に話しかけてきてくれたお客さんとは別の常連のひとり客の人いわく「ずっと前からあれで熱燗をつけているのだ」とのこと。銅製だとしたら、ずっとあの綺麗な状態を保つには相当手入れが必要だろうから、そこだけとっても、とても素敵なお店だ。

 

ふたりとも大満足でお店を出た。その後はMちゃんの行きたいお店である「十桝」へ。こちらもいい感じの店構えでテンションが上がる。店外で少し待ってから入店すると、入口近くの席に案内された。「お造りの盛り合わせ」と「マウンテンサラダ」を注文して待っていると、若い女の子ふたり組と相席でもいいかと聞かれたので「大丈夫ですよ」と承諾した。彼女らと向かい合って座ることになったが、出てきたお造りの素晴らしい盛りっぷりに両陣営から声が上がる。ここでもひたすらに大瓶を飲んで、話が盛り上がった。

 

 

お腹がいっぱいになって、店をでる。が、このまま帰れるか!と次はカラオケ店へ。わたしは久しぶりのカラオケだ、と書こうとしたが、そういえばひとりでカラオケバーに行って若者に絡んだばかりだった。Mちゃんとは、以前カラオケスナックに行ったことがあり、彼女の歌声が好きなので、今回一緒に歌えるのは楽しみだった。

 

わたしは無理を承知でKing Gnuを歌い、星野源を歌い、マキシマム ザ ホルモンなどを歌った。Mちゃんは星野源の「くだらないの中に」、山口百恵「シュルード・フェロー」、らんまのEDテーマだった曲、DEEN「ひとりじゃない」、モー娘。ハッピーサマーウェディング」、小松未歩「謎」などを歌っていた。やっぱりいい声だなー。それに比べてわたしは久しぶりにカラオケボックスで歌うので調子に乗りすぎてしまったな。帰り道でMちゃんにも調子に乗ってごめんと謝罪。

 

終電に間に合うようにカラオケ店を出て、天神橋筋六丁目駅で別れてから電車に乗る。土曜の夜なので車内は混んでいた。ドアの近くで、イヤホンで音楽を聴きながら、最近ブームのダンスの動きの練習をしていた。窓を鏡がわりにしながら練習しているとあっという間に家の最寄り駅についた。

 

家に帰るとパートナーが、わたしが終電を逃さずに帰ってきたことに驚いていた。いや、帰るよ。「きょうは法事お疲れ様でした」と伝えて、1日の様子を聞く。それから、明日パートナーは映画「オッペンハイマー」を観るので、そのあと一緒に映画の感想を話す食事会に行こうということになった。

 

わたしは別の映画を観ようと思うが、なにを観るかが問題だ。時間的な問題も勘案した結果、『変な家』か『劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜郭』かということになった。2本ともわたしが滅多に観ないタイプの作品だ。悩みながらシャワーを浴び、2時ごろに就寝。