いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

2月26日(月) パンとパンクと『陳情令』

 

朝起きてコーヒーを淹れて、昨日Yさんにいただいた薪火野さんのパンを焼く。大きなパンをいただいたので、スライスしてトースターで焼き、たっぷりのバターと蜂蜜で食べる。パートナーも普段は朝食はほとんど食べないのだが、一口齧って出勤していった。残ったパンは冷凍したのだが、これからの日々は美味しいパンがあるので、朝起きるのが楽しみになるだろう。感謝だ。

 

今日はお昼すぎからの仕事だったので、いつも通り午前中に日記を書いていた。この時には今日の出勤時間がいつもより1時間半早いことを忘れていて、かなりゆっくり過ごしていた。

 

日記を書きながらGoogleカレンダーを見て出勤時間の勘違いに気がつき、時計を見るとすでに支度をしなければならない時間になっていた。急いで支度をして、出発するが、少し雨模様だったのでレインポンチョがいる!と思ってまた部屋にとって返して、この時間のロスでさらに少し焦っていた。急いで自転車に乗って走り出すと、タイヤから返ってくる衝撃がいつもと少し違う。前輪を触ってみると、タイヤが柔らかい。空気が抜けている。パンクしていたのだ。

 

自転車を置いて、歩きは当然のこと、バスや電車でも間に合わない時間だったので、そのまま自転車で向かうことを決めた。わたしの自転車はロードバイクで、タイヤの空気圧が高いので多少空気が抜けていても一応走ることができる。もちろん、不備のある状態での走行は危険だし、ホイールが破損することもあるので、わたしとしてもこんな状態で走りたくはなかった。でも時間がない。背に腹はかえられぬ。サドルの後ろ側に体重をかけて、前輪を浮かせるぐらいハンドルを引いて握って、しかし遅刻しないように急いで職場へ向かう。

 

なんとか間に合って、仕事をする。休憩時間に職場の近くの自転車屋さんに自転車を持っていった。ここは大学時代に近所に住んでいたのでお世話になっていたお店だ。当時のお店の方はいなかったけど、若い男性が頼り甲斐のある対応で修理を快諾してくれた。出勤時点でかなり消耗していたので、この頼れる信頼感は、まだサービスを受けていないというのにかなりいいイメージをわたしに与えてくれた。「大丈夫ですよ!やっておきますね!」という姿勢は、ああいう不測の事態に襲われた人間には大変心強いものだ。

 

そして、わたしは明日、この自転車屋さんの近くの美容院で髪を切ってもらう予定だったので、髪を切ってもらったあと、自転車を引き取りにいくという完璧なスケジュール設定ができたので、このことがまたわたしに満足感を与えてくれた。

 

大変な出勤ではあったけど、なんとか持ち直して心は上向きになった。気分がいいので、職場までの帰り道でマップを開いて、バッテリーを1個回収した。休憩時間の終了ピッタリに職場に戻れて達成感がすごい。ただ、1日の終わりには集中力が切れて、かなり疲れたのも事実だった。

 

 

自転車を預けているので歩いて帰宅する。家には簡単に食べられるものがなかったので、冷蔵庫の余り野菜で野菜炒めを作る。ニラ、キャベツ、椎茸を切って、油揚げを細切りにして、酒、鶏ガラスープとオイスターソースで味付けをして中華風にした。これを卵とじ。最近は簡単なものでも自分で作ったほうが満足感がある。

 

このおつまみでビールを飲みながら、中華ドラマの『陳情令』をみる。みなさんはご存知だろうか。2019年の中国で制作されたファンタジードラマで、若き仙術者が「16年前の過去」から「現在」に至るまでの一連の怪事件の謎を解き明かし、真犯人を追い詰めていく様を描くドラマだ。

 

 

ちなみに、わたしは普段ドラマをほとんど見ない。ちょっと評判のいい海外ドラマを見るくらいでドラマ弱者といっても全く過言ではない。ではなぜわたしが『陳情令』を実始めたかというと、友人の激推しドラマだったからだ。この『陳情令』は友人のYUさんの推しドラマで、YUさんは周りの人にも推ししてくれるのだが、実はこのドラマの視聴はかなりハードルが高い。

 

1話45分なのだが、これがなんと全50話ある!そして基本的に登場人物は中国の仙人たちで、当たり前だが、名前が漢字で読みも中国語だし、大体同じ見た目をしている。原作が中国のBL小説ということで、キャラクターは美しい男性たちなのだが、おじさんは顔を見分けられないし、名前も覚えられない。さらに現在の話から一気に過去の話に戻って、過去編で30話くらい使うのだ。他にも登場人物が大量にいたり、専門用語が頻出したりと、ハードルを感じるポイントはいくつかあるのだが、この難易度は個人的にはかなりのもので、実はわたしも去年見始めて、15話でギブアップしてしまっていた。

 

しかし、この間YUさんと『陳情令』仲間のBさんという方に「30話まで見たらおもしろくなるよ」と言われ、再視聴をしてみた。「30話まで耐えるぞ…」と見ていると、たしかに33話あたりから面白くなっていき、ついにこの日全話見終わったのだった。

 

過去編から現在編に戻ってから、過去の出来事が都度、思い出や伏線として機能して、話をひっぱっていくのは楽しかった。なんといっても、あれだけ長い時間をかけて見たことで、もはやわたしにとっても劇中の過去の出来事が「思い出」と言えるほどの感慨深さとなっていたので響くのである。それになんといっても全話見たのだという達成感もあった。長い時間をかけて見たが、満足感はかなり高かったし、面白かった。大河ドラマだったなあ。

 

この満足感に浸って、風呂に入って就寝した。

スピンオフの映画も2本あるらしい。見ようかな……。