いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

2月16日(金) 意識の死角の発見、3日連続の飲み歩き

 

今日は出勤時間が早かったのでパートナーが起き出す少し前、7時前に起きた。最近バッテリーを回収するようになってから朝の目覚めがすこぶる良い。運動ってこんなに早く効果出るのだろうか?

 

コーヒーを淹れて、支度をしているとパートナーも起き出してきたので、ドライヤーや鏡を交代で使いながら身支度を整えていく。

 

支度をしながらNHKで朝ドラの『ブギウギ』を見ていると、今朝はわたしの大好きな『ジャングル・ブギー』を主人公が唄う回だった。朝からテンション上がる!わたしが初めてこの曲を聴いたのは東京スカパラダイスオーケストラの演奏で、奥田民生が唄っている動画だった、という話を彼女にしながら、ふたり揃って出勤。

 

これがわたしの『ジャングル・ブギー』だ。最高にかっこよい。こんなおじさんになりたいね。

 

 

仕事はこの日もいろいろとトラブル続きで忙しかった。最近仕事毎回忙しいな。なんなら来週のほうが忙しいことが確定してしまっているので、考えたくないが。

 

まあ、なんとかやろう。

 

 

仕事を終え、職場を出てマップを開く。近場のタリーズコーヒーでバッテリー補充の依頼があった。個数は2個。しかし、こんなところにタリーズなんてあったかしら?とりあえずマップに従って歩いていると、気がついたらマップの上ではわたしの現在地を示すアイコンがタリーズを通り過ぎている表示だ。やはり無い。バグ?位置情報のエラー?とか思い、疑い半分で来た道を戻ってみると、割と大きな「タリーズ」の看板があった!その看板には「B1」の文字、つまり地下にあったのだ。

 

もう10年は歩いているいつもの道の、さらにその下にずっとタリーズコーヒーがあったなんて!いつできたお店かはわからないが、いままでずっと見落としてきたのだ。意識の死角とでもいうべきか。バッテリー回収業をやっていなかったら一生気がつかなかったのかもしれない。きっといままでも、同じように見落としてきたモノがたくさんあったのだ。この作業のあたらしいおもしろみを発見した瞬間だった。

 

タリーズに入店すると、もちろんそこには従業員の方もお客さんもちゃんといて、安心する。この時もまだ狐につままれたような奇妙な感覚にとらわれていた。挨拶をし、作業を済ませて店を出る。

 

さてバッテリー回収・補充作業をはじめて約1週間が経過した。二度目の週末である。週末の京都は人出が多いのでバッテリーの稼働も多いはずだ。少しマップを分析しながら歩いてみた。これもまたこの作業の楽しい一面だ。人が行き交い、バッテリーの不足と余剰に利用者の行動を思い浮かべる。

 

ちなみにこの日は外で飲むと決めて出てきたので、夕飯を作る心配はしなくてもよい日だ。3日連続で飲み歩くのを許してくれるパートナーに感謝である。

 

いつも通り西木屋町のレボリューションブックスに向かいながら、通り道にあるauショップでバッテリーを1個回収する。

 

レボに入ると、前にお店で出会ってから仲良くしてもらっている、よく一緒に文学の話をする常連のYさんがいた。隣で飲みながら、最近読んでいる本の話や、面白かったおすすめの本や漫画の話など、文学研究者であるYさんから聞くのは贅沢なのだが、だからこそたくさん聞く。

 

「最近バッテリー作業のシステムを使って運動を兼ねた遊びをはじめた」という話をYさんにすると、フーコーの生政治の話が出てきたり、「これ(バッテリー回収作業の生活)は小説になりそう」だ、と先日芥川賞を受賞した九段理江さんの『東京都同情塔』を引き合いに出して、人と都市と近代技術が織りなすネットワークについての話が出てきたりで、Yさんの高い教養と己の差に愕然としながらも、その話がおもしろくてお酒もグングン進む。

 

 

わたしの『カラマーゾフの兄弟』がいよいよ佳境であるという話から、さらに話が飛んで、小林秀雄の『ドストエフスキイの生活』をおすすめしてもらい、ほかにも長嶋有『夕子ちゃんの近道』、オカヤイズミ『おあとがよろしいようで』などを教えていただく。楽しかった。

 

 

自分の文学趣味とはまったく比べ物にならない広い深い知識を持つ友人との会話は本当におもしろい。

 

Yさんを遅くまで引き止めてしまい、謝りながら別れ、さらにわたしは残って飲んでいると「壬生モクレン」のオーナーのMさんが入ってきた。ひさしぶりにお会いできて嬉しい。なんとも楽しい夜だった。またモクレンにも伺う約束をした。

 

もちろん本日もレボの料理はおいしくて大満足だった。あんなに美味しいブリ大根は人生で初めてです。いつもありがとうございます。

 

 

このまま帰るのは寂しかったので、四冨会館にある「日常」へ。わたしはこのお店にすでに2回行ったことがあるのだが、2回ともフラれている。この日もダメもとで行ったらが、幸運にも入ることができた。

 

入った瞬間、自分の好きなお店の雰囲気であることが伝わる。店主のNさんとは他の飲み屋で顔を合わせたことがあって、話したことはあったのだが、ずっとお店に来てみたかったのだ。

 

絶品の鯖寿司とビールをいただく。となりに座っていた初対面のIさんの雰囲気のあるかっこよさにも痺れながら楽しく飲んでいると、さきほどレボリューションブックスで出会ったモクレンのMさんぎ入ってきてまたもや再会。生活の話や、映画の話をしてこれまた大変楽しかった。

 

仕事は大変だったけど、わたしにはいい飲み屋と友人・知人がいる。これなら大丈夫だ、と考えながら気温の下がった夜の四条通を歩く。ご機嫌だ。でも、首が寒い。あ、日常の店内のコート掛けにマフラーを忘れた。こんど取りにいくと固く決意し、お店には謝罪の連絡をいれた。

 

帰り道に、西院のコンビニでまた1個バッテリー回収作業を済ませて帰宅。

 

この日も最終的にいい1日だった。感謝、感謝でシャワーを浴びて就寝。