いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

2月10日(土) 新しい遊びと旧い友人

8時半に起床。リビングに行くと、休日出勤ということでいつもより少しゆっくりと出勤の準備をしているパートナーがテレビを見ていた。淹れてくれていたコーヒーを飲みながら話をする。わたしが「夜中寝てたら、首にコリを感じた」という話をすると、彼女も肩がちょっとしんどいということで、Youtubeのヨガ動画を見ながらふたり並んでヨガをした。ふたりともパジャマに寝癖でテレビの画面に映った「意識の高い人」へ向けたような動画を見ていて、いい感じに意識低い朝だ。

 

パートナーは仕事に出て、わたしは昨晩作っておいたおにぎりを食べ、『カラマーゾフの兄弟』の続きを読む。『カラマーゾフの兄弟』は昨年の秋くらいから読み始めて、途中で読むのをやめたりしながらやっと下巻まできた。途中、「なんの話なんだ…」と思うこともあったが、最近やっとかなり面白く読めるようになってきて印象がかわり、最近は読みながら笑ってしまう。おもしろいですドストエフスキー

 

仕事は午後からだったが、昼前に人に会う予定があったので、支度をして家を出た。同じ飲み屋でよく会うTTさんに会って、その後近くのデパートに行く。買い物ではない。今日から始めた新しい仕事であり、遊びであるモバイルバッテリーを補充しに行くのだ。

 

昨日、Spot WORKというサービスに登録した。ご存じだろうか、「Spot WORK」。

 

たまにコンビニや駅などを歩いていると、モバイルバッテリーがレンタルできるスタンドを見かける。「ChargeSPOT」という「どこでも借りられてどこでも返せるスマホ充電レンタル」がキャッチコピーのモバイルバッテリーのシェアリングサービスだった。

 

「どこでも借りられてどこでも返せる」というのはとても便利なのだけど、どうしたって返す/借りる数・場所・時間には偏りが発生してしまう。その偏りを、バッテリーを運ぶことで解消して、お金を稼げるというサービスが「Spot WORK」というらしい。わたしはラジオで聞いて知ったのだが、これがおもしろそうで、これを自分でルールを決めて遊びながら、運動不足の解消に使うことにした。

 

正直、Spot WORKだけでお金をたくさん稼ぐことはできないと思う。そもそも簡単な仕事だし、労働あたりでみれば額が小さいのだ。Spot WORKとしても、人々が普段の行動範囲のなかで専門知識や専門技術がなくても手軽に仕事することを念頭に置いているということで、あくまで「何かのついで」にやるイメージのよう。

 

仕事内容としては、スマホで地図を確認して、余っているバッテリーを回収し、そのバッテリーを不足している場所に補充すると報酬が発生する。地域の仕事の件数の多寡でバッテリーを補充したときの報酬額は異なるのだが、わたしが住んでいる京都では現在1個補充したら60円がいただける。

 

回収したバッテリーは2週間以内に補充すれば、いくつ所有してもいいようなので一気に回収してしまうのが効率はいいのだろうけど、わたしはこの仕事を運動につなげたいので、毎日運ぶ個数を決めてみることにした。やってみてその個数を調整しようとは思っているが、まずは1日に5個を補充することを目標にしてみる。回収はいくつしてもよいとする。

 

昨日のうちに5個回収しておいたので、そのうちの4個をデパートに補充することにした。店員さんにご挨拶をして、8階のバッテリースタンドへ。連休の初日ということでお客さんが多い。フロアの隅にあるスタンドにバッテリーを挿して仕事完了。

 

ジムに入会したりもしたけれど続かなかったし、運動不足解消にデリバリーサービスに登録してみようかなとか、考えなかったわけではなかったけど、実際に動く気にはならなかった。しかし、バッテリー補充のこの手軽さならできる。あとは続くかどうか。

 

一旦帰宅し、昼食に前日の夕飯で残っていたお鍋のスープを使ってまたお鍋を食べ、出勤した。

 

22時ごろに仕事を終えて、大学時代の友人が集まっている食事へ合流。京都駅近くの鳥料理屋さんまで向かう。突然の開催のわりに5人も集まった。コロナ流行前から5年近くみんなで会うことはなかった。大学時代は毎日のように会っていたが、社会に出て家庭を持ち、住む場所も変わり、事情も変わる。

 

わたし以外は子供がいるのでもっと子供や家族の話になるかとも思ったけど、意外にみんな本読んだ話やらアウトプットとインプットの話もしたりで、学生のときを思い出すなど。わたしが聞きたくてみなの子供たちの話を尋ねていた。終電で帰ったひとりを除いてみんなで木屋町三条へ。車で来ていた友人の車にみんなで乗って向かっていると、「死語かもしれんけど、エモいな」って言っていて、おいおいそれ言っちゃうのダサいなと反射的に思ったが、たしかにこれがエモかったのだ。許してほしい。長浜らーめんのみよしに行こうと思ったけど、あまりに並んでいたので諦めてサクの間さんへ。閉店近くまでいた。エモくて楽しいおじさんたちの夜。

 

当然ながら、バッテリー回収はみんなが使い終わって、駅やコンビニに挿して余剰が出る夜間が狙い目。友人と解散してマップを開くと、京都市内でも北側の北野白梅町のあたりに余剰バッテリーが点在していたので夜中、というか早朝のバッテリー回収を3件こなした。俺はナイトクローラーならぬ、モーニングクローラー。闇に蠢くような、かっこよさはわたしにはない。もう学生ではない。中年だ。でもおじさんにも新しい遊びが必要だ。

 

深夜に働いているコンビニの店員さんに実に勝手な仲間意識を持って、だからこそ丁寧にご挨拶をしながら回収していく。しかし、あまりの寒さに心が折れて、目標の5個に1個届かないまま帰宅し風呂入って就寝。