いぬのいる島

日々、散歩しては迷っている

5月11日(月) サントラで、映画は二回初鑑賞できる

 
 朝は、同居人のAちゃんが出勤の日だったので(いまは新型コロナ対策で出勤は週1回になった)、見送る。
なんだか、起きたら頭痛がする。わたしは姿勢の悪さが原因で生じる頭痛をもっており、その頭痛の時は後頭部が痛いのだけど、今日は立ち上がって動くと頭の左前からすこし後ろまでが痛む。想定外の痛みは、特に頭の痛みは恐ろしく、「大丈夫、大丈夫」と言いながらも、ソファーに座ってスマホで「家庭の医学」のアプリで確認したりする。まあそんな吐き気とかめまいもないし、じっとしていると良くなってきた。30分くらい静かにしていたら痛みがなくなった。Aちゃんは「行きたくないなー」と一言唸ってから、家を出ていった。今日は天気がとてもよくて、洗濯をする。
 
 10時ごろからTSUTAYA ディスカスというDVDを配達してくれるサービスで借りた『オーバー・ザ・ブルースカイ(原題:The Broken Circle Breakdown)』を見始める。
 
オーバー・ザ・ブルースカイ [DVD]

オーバー・ザ・ブルースカイ [DVD]

  • 発売日: 2015/03/06
  • メディア: DVD
 

 

 
 この作品は2012年公開のベルギー映画で、2013年のアカデミー賞ではベルギー代表として外国語映画賞ノミネート作だ。ブルーグラスバンドでバンジョーを演奏するディディエと、タトゥー・アーティストのエリーゼが出会い、愛し合い、子どもが生まれるのだが、その子は病気で亡くなってしまう。そしてそれから二人の関係も変わっていき、ある悲劇が起こってしまうのだが、―――という物語。時系列をシャッフルすることで、過去と現在が呼応するような仕掛けがあり、そこに出演俳優たちが実際に演奏する「ブルーグラス」という弦楽器と歌で構成される楽曲が響きあうという作りが特徴で、好きな作品だ。
 
 2014年の日本公開時には、チャンスがなくて見ることができなかったけど、サントラの出来がとてもよいのだ。わたしは映画のサントラが好きで、applemusicを契約してからはまだ日本公開されていない作品のサントラでも気軽に聞けるのでとても助かっている。だけど、2014年当時はまだサブスクの音楽配信サービスを使っていなくて、基本的に映画を見てから「いいな」と思った作品のサントラは聴いても、見る前に買うのは珍しいことだった。それくらいサントラに惚れた作品である。
 
 サントラ(劇伴、映画音楽)を聴くという行為は、一度見た作品を思い出すために聴くという利用の仕方に大きな価値があると思う。実際に、ビデオやDVDなどがなかった時代には、映画館で映画を見た後に作品を楽しむ方法としてはサントラを聴くことしかなかったのだと聞いたことがある。もちろん、映画音楽は作品のために作られた映画の一部であって、すばらしいサントラ、楽曲は多くても、やはり作品と切り離すことはできない。たとえばサイレント映画であっても劇場で楽器を演奏することで作品を盛り上げていたそうだ。映画が総合芸術である以上、それは作品の一部ということになるだろう。
 
 わたしは当時、この『オーバー・ザ・ブルースカイ』のサントラを聴いてから、映画の予告編を見た。そして自分の頭のなかで、「この楽曲の流れるシーンはこんな場面かな?あんな場面かな?」と想像を膨らませて楽しんでいた。映画サントラは基本的には、映画で使用される順に曲が並んでいることが多いので、何度も聴いていると、自分の頭の中ではサントラが流れていくと同時に、「わたしの想像の『オーバー・ザ・ブルースカイ』」が出来上がっていた。
 
 もちろん、その『オーバー・ザ・ブルースカイ』は妄想の『オーバー・ザ・ブルースカイ』であって、実際に『オーバー・ザ・ブルースカイ』をみるとまったく違う展開があるわけだ。実際の『オーバー・ザ・ブルースカイ』が妄想の『オーバー・ザ・ブルースカイ』とは違う展開であれば、「わたしが思っていたのと違う!」と実際の作品を否定する可能性もあったわけだが、そうならなかったのだから、わたし個人としてはやはりいい作品だったな、という結論である。
 
 この作品には、映画サントラの新しい楽しみかたを教わった。それは「サントラを聴いて、勝手に映画のストーリーを妄想する」という遊びである。妄想の作品は、自分の理想の展開を作り上げてしまうので、実際の作品を否定するという危険があるかもしれないが、けっこうおもしろいので、そのあたりに気をつけながら、この楽しみかたを続けていきたい。

 

The Broken Circle Breakdown (Original Motion Picture Soundtrack)

The Broken Circle Breakdown (Original Motion Picture Soundtrack)

  • THE BROKEN CIRCLE BREAKDOWN BLUEGRASS BAND
  • サウンドトラック
  • ¥2241

 

 

 
 見ている最中に配達がきて、誠光社さんで注文していた本『渡り鳥』と『村を守る不思議な神様 2』が届いた。あと同じくamazonで頼んでいた『バイトやめる学校』も届いた。ちょっと映画を中断して「閏年にしか販売されない本」『渡り鳥』を読んでみる。『渡り鳥』は、Instagramでフォローしていた本屋さんの投稿で、知り、その装丁のかっこよさを気に入った。その後、この装丁を知人の奥様が手がけていることを知ったときには驚いたものである。なので、この本の内容についても始めて知った。いつか改めて『渡り鳥』についても書きたいと思う。
  
バイトやめる学校 (SERIES3/4 1)

バイトやめる学校 (SERIES3/4 1)

  • 作者:山下陽光
  • 発売日: 2017/07/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
 14時ころから、食料品の買い出しにいこうと支度をして家を出る。外は暑いなあ。自転車でスーパーへ。人は多い。なんかたっくさん買ってしまって、バッグをふたつ使ってなんとか収めた。ちょっと買いすぎた。やりすぎた感だ。あとここ最近の買いだめの習慣で、エコバッグを複数抱えてのバイクコントロールが安定してきた。そのまま小さなおばあちゃんがやってるパン屋へ行って散財する。ちょい高いけど美味しいので買いすぎてしまう。ひとつひとつのパンがビニールの袋に入れてあって、その手間を考えたらもっと払ってもいいくらいだ。だめ押しでもう一個買っていく。
 
 暑すぎだ!家に帰ってエアコンを入れ、しばし昼寝をした。起きたら17時。ちょっと書きものをして、夕飯を作り始めた。今日は盛りそばにする。
 
 まずは今日買ってきたししゃもを焼いて、あおさを振りかける。水菜を刻んで水に浸して灰汁を抜き、ツナとオリーブオイル・醤油と混ぜて常備菜の完成。卵焼きを焼き、醤油と出汁と砂糖とみりんと酒でそばつゆを煮立てて冷まし、そばを湯がく。薬味にわさびと生姜と大葉ともみのりを用意して完成だ。
 
 Aちゃんが家に帰ってきたのは21時前で、そこから夕飯を食べた。